深むし茶の歴史と栄養

深蒸し茶の歴史と栄養

深むし茶の栄養

深蒸し茶が生まれたのは、1970年代の静岡県牧之原なんです。

深蒸し茶の歴史

茶畑 深蒸し茶は1970年代になってから、静岡県の牧之原台地を中心に作られました。
実はまだ歴史が浅いのです。

牧之原台地は 静岡県の中西部、現在の島田市・牧之原市・菊川市にまたがっている地域です。

(ちなみに、当社のご先祖様は静岡県小笠郡大東町に住んでいたので、創業当初は「菊川出身」といっていたのですが、今は市町村合併のために、その場所は掛川市となってしましました(笑)
盛岩院というお寺様にお墓があり、「今年も産地に来ることができました。ありがとうございます」と毎年お参りして仕入れを行うのですが、お寺の目の前に菊川が流れており、川を境に菊川市と掛川市に分かれています。当社は創業当初は、菊川、牧之原中心でしたが、今は掛川や森までお茶創りのために足を運んでいますなんだか、ご先祖様のご縁を感じてしまいますね。)


さて、話を戻しますと、
牧之原台地は、石が多く水はけが良い赤土でど、気候が温暖で茶の育成に向いていたため,現在のような
全国一の規模を誇る大茶園になりました。(広さは東京ドーム約560個分、5,000ヘクタール)

しかし昔は、前記のとおり土壌が肥えていたために、葉肉が厚くなり、普通のお茶の作り方をすると渋みと苦みがあり、良質なお茶の産地ではないと言われていたのです。

そんな中、おいしいお茶を作ろうと生産家たちが工夫するを続けていると、生産家の中で蒸かしすぎて失敗してしまったお茶ができました。しかしそれを飲んだときに、

「これどうした?うまくないか?そして緑も濃くなるし、甘みも感じる・・・葉肉の厚い茶葉を生かすには、蒸しを今までよりも長くすることが、この茶葉に合う作り方になるんじゃないか!!」

と、ひらめき、それから、通常よりも長く蒸してつくる「深蒸し製法」が生まれました

深蒸し茶は、葉肉の厚い生葉ができてしまう産地の「短所」をどうしたら良いかという創意工夫の積み重ねから生まれたお茶なのです。

結果的には、短所だった葉肉の厚さは、今や栄養成分を多く飲むことができて、早く抽出できる「長所」となっています。

本物の「深蒸し茶」は、産地の土壌・土質にあった生葉作りと、おいしさへの創意工夫の積み重ねにより、作り上げられるものだということを、ぜひ歴史を通じて知って頂ける幸いです。
 

深蒸し茶の成分と効能・効果
 

水溶性(水に溶ける成分)

成分 含有量 効能・効果
カテキン類 10~18% 抗酸化(抗老化)、抗がん、血中コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、
血糖上昇抑制、抗菌、抗虫歯菌、抗ウイルス、腸内菌改善、抗アレルギー、消臭
カフェイン 2~4% 中枢神経興奮、眠気防止、強心、利尿作用、新陳代謝
テアニン 0.6~2% 血圧上昇抑制、脳・神経機能調整
フラボノール類 約0.6% 毛細血管抵抗性増強、抗酸化(抗老化)、抗がん、心疾患予防、消臭
複合多糖類 約0.6% 血糖上昇抑制
ビタミンC 0.15~0.25% 抗懐血病、抗酸化、抗がん、がん予防、白内障予防、免疫機能増強
GABA、ギャバ 0.01~0.2% 血圧上昇抑制、脳・神経機能調整
サポニン 0.1% 抗喘息、抗菌、血圧上昇抑制
ビタミンB2 1.2mg% 口角炎、皮膚炎防止、脂質過酸化抑制
ミネラル類 3~4% 亜鉛、マンガン、銅、セレン:抗酸化
亜鉛:味覚異常防止、免疫能低下抑制、皮膚炎防止、虫歯予防
香気成分 1~2mg% アロマテラピー効果

水不溶性成分(水に溶けない成分)

成分 含有量 効能・効果
食物繊維 約30% がん、心疾患などの生活習慣病予防
たんぱく質 約24% 栄養素
粗脂肪 3.4~4% 栄養素
クロロフィル 0.6~1% 消臭効果
ビタミンE 0.02~0.07% 溶血防止、 脂質過酸化抑制、 抗がん、抗糖尿、白内障予防、免疫機能増強
β-カロチン 約0.02% 抗酸化、抗がん、免疫機能増強

(村松 敬一郎編  茶の科学 より)
 

2020年7月発行の日本茶インストラクター協会発行の茶論NO.75に
「茶の健康効果20選」の紹介がありました。
詳細なデータとエビデンスの記載があります。
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日本茶インストラクター紹介・茶の健康効果20選


 




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