創業の想いを綴りました。


10月14日から43年目の創業祭をおこないますが、
今回は改めて当園の創業の想いをお伝えいたします。


春芳茶園の歴史
創業者《後藤 武史・聡子》

春芳茶園の歴史は
今から約100年前にさかのぼります。

静岡県掛川毛森に「後藤 芳太郎」という農家がおりました。

その息子の春一は味の濃い深蒸し茶を研究し、北海道に渡り、父(芳太郎)と同じように味の濃い美味しいお茶を飲んでもらいたいと精進いたしました。

春一は8人の子宝に恵まれ、4人の男の子が皆、父の意志を継いでお茶屋を設立しております。

その一番末っ子の「後藤 武史」は、横浜戸塚に春芳茶園という日本茶専門店を築きました。

横浜戸塚にある「春芳茶園」は一代目の芳太郎の「芳」と二代目の春一の「春」をいただきました。

当園の事業の意義・目的は、「世界に日本茶好きを創造するです」

父は起業前に、日本茶をスーパーや専門店に卸業する中で、本当に新鮮で美味しいお茶をお客様に直接お届けするには、

「生産者にお客様が望んでいる品質・美味しさ・価値を伝え、お客様が心から喜ぶ茶葉を自分で仕入れて、直接自分でお客様にお届けするしか道はない!」と強く感じ起業をしました。

お茶は農作物なので、毎年天候と土壌により品質が大きく変わります。
スーパーのようにいつでも同じ価格で、どこでも買えて、品切れのないお茶作りでは、

「美味しさを創る」ことはできないのです。

◎挫折により覚悟する。

しかしながら、当園をスタートした1979年当初、当園のような産地直販の細かめの「深蒸しのお茶」を販売するお店はほとんどありませんでした。

《下の写真が、1979年当初の当園本店の写真。創業時の姿。赤い野点傘が目印として、目立っていました。なんだか問屋みたいですね!》



初めて来店されたお客様の中には、「新しくできたお茶屋、粉茶売ってお茶屋をしている!!」なんて噂までされて、父は大変悔しい思いをしました。
それでも熱い思いを持って起業したので、お客様でも熱い思いをぶつけます。

そうするとますます
「あのお茶屋はうるさい(その当初マイクを持ってお茶について演説をしていたのです!!(笑)」など散々ご意見をいただくことになりました。

流石に、父もこれで本当にいいのかと不安になり、一度だけきれいな形の茶葉を販売をしたのですが・・・・・

今度は当園のお茶を喜んでご購入いただいいていたせっかくできた顧客様から、「お茶の味が変わった!美味しくないわよ!!」「本当に美味しいお茶に巡り合えたと思ったのに、残念だわ」と今まで以上に強くご意見をいただいたのでした。  父は、

「何をやっているんだ…」深く反省しました。

そして気づいたのです。実は本当に美味しいお茶を求めているお客様には、父の熱い思いは伝わっていたのでした。

そしてその時、決意したのです。

『お茶はどこにでもある、当園でやるべきことは
「形を作ることではなく、美味しさを創る」ことだ!』

『「お客様が美味しい!」と感動していただけるようなお茶をとことん創ることに精進しよう!!』

『お客様に喜ばれる他ではできないこと。当園でなければできないことを一生懸命やろう』決めたのでした。

《下の写真が、1984年、創業から5年目。大改装しました。常にお茶をおもてなしできるように、椅子を用意してお客様にくつろいていただけるようなお店にしました。》


《下の写真が、2013年3月31日まで34年間営業させていただいた旧本店。今は「街の花屋さん」営業している場所になります。私は2003年に入社したのですが、この姿になる前にも、2回リニューアルして、お客様本位の店作りを行ってきました。》

◎「深蒸し茶を作るのではなく、美味しさを創る」


私(後藤 隆典)が入社してからは、更に「形を作ることではなく、美味しさを創る」ことを突き詰めていきました。

これはとても重要なことですが、今は昔とは違い「深蒸し茶」はどこでも販売されるようになり、どこでも深蒸し茶にするようになったため、深蒸し茶だからお茶が美味しいとは言えないのです。

なぜなら葉肉の厚い茶葉をしっかり育てている生産家の生葉を農家段階でしっかり蒸すことが出来なければ、本物の深蒸し茶にはならないのです。

葉肉の薄い茶葉を蒸かすと見た目は深蒸し茶で、緑は濃く、抽出は良いように見えますが、お茶の味のしない茶葉になります。またあとから刻み深蒸しの姿にしても、茶葉を細かくできても旨味が濃くなるわけではありません。

このような茶葉を「見極めること」ができなければ、旨味の濃く、苦味の少ない、まろやかな当社の「深蒸し茶」は作ることはできません。

いや「深蒸し茶」という言い方はでは収まりません!当園の茶葉の姿は、
 

「美味しさを創るために努力を積み重ねた結果、今の茶葉の姿」になっただけなのです。


ですから・・・
「美味しさを創る」ために毎年、最低でも300回以上茶葉を何回も繰り返えしテイスティングをしてお茶作りをしています。

300回以上のテイスティングで生まれたお茶が、熟成蔵出し特蒸し緑茶「とっておき」であり、人気NO.1緑茶「ひととき」になります!

人気NO.1特蒸し煎茶「ひととき」※創業祭でお買得になります!


◎「熱い思い×努力×良縁=美味しさの創造」

そして毎年、今まで仕入れをしたことのない生産地や生産者に会いに行き、当園の考え方や思いを伝えていきました。

なぜなら美味しさを創るためには、生産者との深い関係性が不可欠だからです。

今では、静岡、鹿児島、京都、愛知、福岡の中心的な生産者との良縁を頂き、お茶作りを行うことができています。

一人でできることは、限られています。「美味しさを創る」ために多くの生産者に協力をいただき、挑戦しつづけています。

◎「お客様の喜びを創造し、次世代の日本茶専門店を生み出す!」

また、消費地の専門店の役割としてお客様の声を聞き、生産地へ届けることと、本物の茶文化をお届けするための、裏千家茶道や日本茶インストラクターなどの茶文化の学びを続けております。

そして、お茶に興味のあるお客様が来店しやすいように、オリジナルお菓子の販売やソフトクリームの製造、「しゅんぽうカフェ」まで行うようになりました。

茶葉のテイスティングから製造販売、茶の強みを生かしたスイーツ、そして茶道文化と急須文化の消費地の体験型物販できる日本茶専門店として、

「すべてを自ら考え創造していくことで、日本茶が日々の生活に素敵に寄り添う、心豊かな提案をお届けすること」

を創業当初の意義と共に磨きながら、温故知新の精神で成長しております。

43年目の今回の創業祭も、はじめて、創業祭限定のカフェメニューや限定セットを販売させていただきました。

父も母も店頭に出勤はしなくなりましたが、今も私たちを支えていただいています。

美味しい日本茶を通じて、幸せになっていただけるお客様がひとりでも増やせるようにこれからも頑張っていきます!!

《創業祭商品はこちらからどうぞ》